NHK技研公開
行って来ました。
毎年開催されているNHK技研公開。ここ数年は都合が合わず行けていなかったのですが、今年は、これも技術調査業務だと言い張って、出張として行って来ました。
ま、99%趣味なんですが。
色々と問題が取りざたされているNHKですが、BBCと並んで、放送局であると同時に、技術開発でも世界をリードしています。
今年のトピックはとにかく8K。
もう、最初っから最後まで8K押しです。
2020年のオリンピックと、2025年の渋谷NHK社屋建て直しに向けてって事らしいですね。
で、確かに8K/120Hzの映像は綺麗。大画面での訴求力もすごいのですが、小さく展示してあった、20 inchくらいの有機ELの8Kはとにかく圧巻。どこまで近づいても画素さえ見えません。
こういう、高精細技術は大画面よりも、あまり大きくない部屋で、画面に近いところで見る際に威力を発揮するんじゃないのかと感じました。
しかし、私も技術者の端くれとして、こういう風に技術を突き詰めて開発を行うのは大賛成なのですが、商業的にはどうなるんでしょうね。
一消費者としては、選択肢として8K TVしかなくなったら、それを買わざるを得ないのですが、価格が適正で、過去formatのコンテンツもアッパーコンパチされるならなんの問題も無いと考えます。
TVのハード開発も新たなライン投資やらなんやらで大変でしょうが、歩留まりが良くなれば、なんとかなるのかもしれません。
問題はコンテンツ提供業者でしょう。
8K化されることで、カメラから編集から記憶機器まで、ハード面、更にそれを扱える技術者と多大な投資が必要になるでしょう。ただその投資を行っても、8Kであることを生かしたコンテンツを作ることが出来るのかなと。
今でも、同じコンテンツでもDVDとBDの円盤は微妙に価格が違いますが、8Kになった時に、更に消費者を納得させるような形で価格設定が出来るのかなと。
たぶん難しいのでしょう。そうなると、Formatの差を活かした、8Kでしか実現できないコンテンツを提供するしかないのでしょうが、それもまた難しいのではないかなと。
PSがPS2,3,4とどんどん性能が良くなったにも関わらず、その性能を活かしきるコンテンツが中々出ず、結局大手が硬直したコンテンツを出すしかないというのと同じ状況になるのかも。もしくは過去のフィルム映画を8Kでリマスターするとか。
それじゃ、面白くないなぁ。
なんて、久しぶりに真面目に考えてみた次第。
うちのTVは4Kですらないので、しばらくは関係の無いお話なんですが。
ではでは