革用オイル比較 その2
最新版
オイルも少し種類が増えましたので、あらためて比較なんぞをしてみました。
なお、使用した革はまだオイルも結構入っているので、全てのオイルで浸透性はイマイチです。また保革効果についても、この実験では分らないので、表面の違いに着目した比較となっています。
そういう意味では、本来もっと長くおいてからふき取るのですが、今回は一時間程度の放置です。表面だけならこんなもんで大体違いが分ります。
前置きが長くなりましたが、今回参戦の方々はこちら。
なんか、おかしな方が2人ほどおりますが、上段左から、尾山、マスタング、レーダーバルサム、レーダーフレーゲ。下段左から、ラナパー、RWレザーコンディショナー、メンソレータムハンドクリーム、ボスコEXオリーブオイル。
最後の2つが異彩を放っていますが、たまに、このあたりも使えると聞きますので、比較に入れてみました。まぁ、メーカーは関係ないでしょうが。
ちなみに、尾山木材用とBee outdoorsはあまり使う方も少ないでしょうから抜きました。どんなモノかは、前回の比較をご覧ください。
ではまず塗った直後から。
Tapir二つのマットさとオリーブオイルのベタベタ感が際立っています。
あ、書き忘れましたが、一番下の一列は何も塗ってないゾーンです。
ちょっと角度を変えて、表面反射を強調してみました。やはりオリーブオイルとTapirが際立ってます。
で、しばらくおいておくとこうなります。
本来は一晩くらいは置いた方が良く、逆にTapir系はこんなに置かない方がいいのですが、とりあえず同一条件ってことで。おそらく一晩置くと全部マットな感じになる筈。オリーブオイルは分りませんが。
続いて、ワイプオールで吹き上げます。
全て似た様な感じになるのですが、Tapir二つがちょっと違ってます。
同じように角度を変えると。
オリーブオイルも艶はあるように見えますが、艶というより、まさに油が染みてる感じ。
意外にハンドクリームが善戦しています。
ここで恒例の水滴実験。
垂らした直後。
表面張力はTapirとラナパーが強いですね。オリーブと何も塗ってないところは既に染みかけています。
この傾向はこのままで、ちょっと置くとこうなります。
オリーブオイルとなしの部分が脱落です。オリーブオイルに関しては銀浮きっぽい感じになってしまってます。何も塗ってないゾーンよりもダメかも。
このまましばらく置いても、あまり変化が無かったのでふき取ってみました。
RWとハンドクリームにちょっと染みが出来てます。
と、ここまで水滴実験を行ってから言うのもなんですが、実はこの実験あまり意味はありません。
と言うのも、靴やカバンは使っていると、当然革が曲がります。その状態を再現するために、少し革を揉んでから垂らしてみると。
それなりに頑張っているのもありますが、全部浸透しやすくなります。
拭き取るとってみたのがこちら。
こんな感じで全部染みてます。Tapirは強そうですが、以前試したときにはやはり浸み込みました。
結局、本当に防水性を求めるなら、ダナーの防水革などのように、革の中まで防水処理されたりとか、クロームなめしの革を使うべきでしょう。
なので、逆に考えると防水性をメインにしてオイルを選んでもあまり意味は無く、表面の様子の好みで選んでも良いのかもしれません。
さて、駆け足でご紹介しましたが、前回比較で登場したものはやはり同じ結果に。RWは防水性で判断するのでは無く、保革という面で価値がありそうです。あ、ちなみに、RWだけがミンクオイルベースですね。
オリーブオイルは、少なくとも今回の結果を見る限り使わない方が良さそう。そもそも、カビとか生えそうな気もしますし。食べ物を使うってのも何か拒否感があります。
ハンドクリームは意外に善戦しましたが、普通毎日塗るハンドクリームなので、耐性にはかける可能性があるかも。というか、専用のオイルがあるのに敢えて使う必要も無いかなと。
あと、実際の使用時にはオイルの種類では無く、ブラッシングの方がよっぽど大事だったりします。艶の出方もブラッシングで大きく変わります。今回はあくまで限定条件での比較ということで。
ってな感じで、またオイルが増えたりしたら比較してみます。
ではでは