手縫いとミシンと
何が違うの?
さて、久しぶりのレザークラフト話です。
このブログを見て頂いているかたが上げられていたエントリで、ミシン縫いと手縫いの違いについて書かれていました。
確かに、ぱっと見は縫い方が手縫いなのか、ミシンなのか、すぐには分かりにくいものです。ですが、ミシンと手縫い(というかサドルステッチ)は根本的に違う縫い方なのです。
なので、酔狂として、手縫いでミシンの縫い方を再現してみました。
ちなみに、本当にビールを飲みながら作業しましたので、縫い目が汚いのはご容赦を。
では、まずミシン縫いです。
ミシンは上糸と下糸がありますが、まずは上糸を青い糸で再現。
同じ縫い穴に糸を返して入れていきます。
裏から見るとさらに分かりやすいかもです。
こんな風に、同じ縫い穴からぴょこぴょこと糸のループが出ている状態です。
なので、この状態で、糸を両側から引っ張ると、スポンと抜けてしまいます。
ここに下糸を模した黄色い糸を通します。
で、両方の糸を絞ると。。。
こうなるのです。
上糸の青い糸しか見えませんね。
ということは、裏から見ると。
こんな風に、下糸の黄色い糸が見えるわけです。
分かりやすく、上糸の青い糸をあんまり引っ張りませんでしたが、この青い糸の点々が縫い目の中に隠れるように引っ張ると、表も裏も同じようになり、表面は青、裏面は黄色になるわけです。
当然この状態で黄色い糸をスーッと抜くと、縫い目はバラバラになってしまいます。
服とかで糸のほつれを無理に引っ張ると縫い目がバラバラになるのはこのせいです。
続いて、手縫い、というかサドルステッチです。
本来、一本の糸の両側に針をつけるのですが、それをあえて、二つに分けて、青と黄の糸を通しています。
そうすると。。。
こんな風に、青と黄色の糸が交互に現れることになります。
なんでしょうね、仕付け縫いを表裏両方から行っている状態です。
なので、片側の糸が切れても、縫い目全体がほどけることはありません。
裏から見ても同じです。
上が手縫い、下がミシン縫い(っぽい)ものです。
先ほども書きましたが、手縫いはこのように糸が銀面、トコ面を行ったり来たりするおかげで、片方の糸を引っ張っても、糸が抜けることはありませんし、一箇所が切れても、その部分だけを縫い直せば強度を保てるわけです。
手縫いの革製品がかなり高価で売られているのは、縫い目の美しさもさることながら、このように、強度が全然違うことも一つの要因なのでしょう。
てな感じで、ビールのアテとして、簡単な実験をしてみましたよ。
てことで。
ではでは