Red Wing 8119 100Km
馴染む
この秋デビューの8119が100kmを越えました。
これまでの、Red wingとは少し感覚が違いますので、その辺りのお話なども交えつつ。
痛みは50kmで無くなり、今ではすっかり馴染んでます。
馴染んだのが靴か足かというと、足の方が馴染んだ印象。ワイズがDなので、つま先幅のきつさが痛みの原因となり、親指の付け根辺りにかさぶたが出来ていたのですが、それが50kmで剥がれて、以降快適です。
サイドにアタリも出てきて、ブーツらしい見た目になってきました。
痛みの話に戻りますが、痛みがワイズ原因だけになったのは、特徴の1つ目であるフックによるところが大きいかも。
フックは脱ぎ履きが楽になるのと共に、適度に緩んで、甲の曲がる部分の痛みが出ないようです。
アイアンレンジの2つ目の特徴である、キャップド・トゥの部分も立体感が出てきました。
そして、3つ目の特徴である、オックスブラッドメサ。この革の特徴はとても伸びやすく、足に馴染みやすい。ただ、この伸びやすさが曲者で、寒い朝に履き始めると最初は硬くて、ちょっと痛い。これが、10分ほど経つと温度と湿度が上がって革が柔らかく伸びて痛みが無くなるのです。
これは50km前から同じ。
ですが、伸びやすい分だけ、戻るのも早く、1日履いて慣れても、2日ほど置くと元に戻っているのです。
これが、クロンダイク等の硬い革だと、伸びるのも時間が掛かりますが、一度伸びて足に合うとその形が崩れません。
そんな風に、伸びて縮んでを繰り返して、結局馴染むのに50km、回数にして10回ほど掛かったという訳です。
オイリーな革とアウトカップでマッシヴな印象がありますが、ヒールと薄めのソールのおかげで意外にドレッシーにも履ける一足です。
履き心地も慣れてしまうと、足にまとわりつくようなフィット感。同じラストである9870と似てはいるのですが、革質の違いでより追従性が増しています。
ソールが薄いので、道路の石や段差などはダイレクトに感じます。この感触は好みでしょう。
もし、ワイズDで無理が無いのならば、一足目のレッドウイングとしてもお勧めです。
そんな満足な一足なのですが、問題があるとすればこちら。
フックの裏がギザギザですので、タンの部分にかなり干渉します。穴が開いたという話があるのも頷けるところ。
ツーピースの鳩目の様に、裏が丸く処理されていれば問題ないのですが。
まぁ、今期はこれで履いてみて、ヤバそうなら普通の鳩目に交換するかもしれません。
最後はブラシのお話。
このブーツは艶消しの表情を愉しみたいので、敢えて豚では無く、柔らかめの馬毛ブラシを使っています。
以前ご紹介した、宇野刷毛ブラシ製作所のブラシです。
このブラシ、毛並みの良さも素晴らしいのですが、毛足が長いのも使い易いのです。
こういう風にコバの深くえぐれているところには、毛足の短いブラシでは届か無いのです。
ですが毛足が長いと。
このように台座にぶつからず毛先が届きます。
毛足が長いと力の加え方が難しかったりしますが、そこは道具を使いこなす快感で相殺。
てことで、色んな意味で興味深いブーツとなった8119です。
自分の中の基準として、100kmまでは雨に当たらないようにしていたのですが、これからは雨でも雪でもガンガン履きます。それによる変化もまた愉しみ。
ではでは