記憶風景再現としてのHDR
写真多めです。
以前画像をいじるという記事で、コントラストの低い画像を無理やり神々しくしてみる手段としてHDRを使用しましたが、本来は白飛びや黒潰れした画像から諧調を取り戻し、肉眼で見た画を再現するってのが目的のはず。
ならばということで、この数日公開した写真を幾つか処理してみました。
上からRAW現像のみ、HDR加工後です。RAW現像のみは以前の記事で上げたモノと同じです。
RAW現像のみ
HDR加工後
どうでしょうか?黒潰れの階調が復活して、記憶の風景としてはこちらの方が近く感じます。
ちなみにRAW現像ソフトだけを使ってこの画に近づけてみようとしたのがこちら。
RAW現像でHDRに近づける
シャドウを思いっきり上げて、ハイライトを思いっきり下げ、そのままじゃ青方向に色が抜けたようになるので、彩度を上げ、ガンマカーブのBとGを下げて色合いを調整しています。
階調的には一枚目よりましになりましたが、なんかノッペリとした画になって、建造物の質感が無くなっています。やはり無理させすぎ。
こんな感じで何枚か処理してみました。順番は同じで、RAW、HDRの順です。
RAW現像のみ
HDR加工後
これも向かって右側の影になっている部分が復活しています。稲荷通りの看板も鮮明に。
ワザとらしく見えるのは私がAurora HDRを使いこなしていないからでしょう。普通のRAW現像パラメータでわかるところは出来るだけ調整していますが、HDR関係のパラメータは殆ど意味を理解していません。
続いてもう少し自然の多い風景。
RAW現像のみ
HDR加工後
特に後ろの水面近くの木々が復活しています。かつ、よく見るとスワンボートの真白な船体にも微妙な諧調が復活しています。こんな風に黒を上げるだけじゃなく、ハイライトの階調も復活出来るところがHDRの妙です。
ただ、相変わらず水面の反射、木々と青空の違いが鮮明過ぎて違和感があります。
この水面の違和感を逆手に取ったというか、結果的にこうなるんだと気づいたのが次の風景。
RAW現像のみ
HDR加工後
水しぶきがシャッタースピードを数段早めたようにも、止まっているようにも見えます。
実際には、以前の記事で雲の中の構造が顕著になったのと同じ理由で、飛沫の濃淡が極端になることで、このような見え方になるようです。
表現としてはちょっと面白いので、逆にスローシャッターでならした水面を、HDRに掛けてみるってのも試してみようかなと。
ちなみに今回のHDRは全て一枚のRAWファイルから生成しています。動きの無い風景なら複数枚露出を変えて撮影も可能ですが、特に最後の飛沫の様なランダムに動きの速いモノは複数枚撮ると重ならないので上手く合成できないはず。
こんな感じで、野外のコントラストの強い風景写真ではHDRはかなり有効です。逆に室内での物撮りでは違和感が出まくるので、そこはライティングなんかを工夫して撮れってことでしょう。
てことで、GWのラストは、記憶を取り戻す写真のお話でした。
ではでは