E-M1 Mark II HDR撮影 : 誤り修正/補足あり
使う場所が大事か
さて、今回はHDRを試してみました。
E-M1のHDR機能は大きく分けて2種類あります。
1. カメラ内でHDR合成をして合成したjpgを出力するもの。
2. カメラ内では合成せず、露出を変えた画像を出力するもの。
では、まず1のカメラ内合成から、その効果の程と使い方なんかを見ていきましょう。
1. カメラ内でHDR合成をして合成したjpgを出力するもの。
1のモードにはHDR1とHDR2があり、HDR2の方がより印象的な写真になるとありますが、今回は試していません。おそらくAurora HDRの各種エフェクトのようなものと予測します。
ゴチャゴチャ書く前に実際の写真を、まずはHDRをかけたモノ。
HDR無しのモノ。
確かに、瓶の暗いとことか、背景なんかは階調が残ってますし、泡の明るいところも飛びは少なくなってます。どっちがいいかは好みです。
ちなみに、このモードでは、露出を変えて4枚撮影し合成するのですが、出力されるのは、合成された1枚だけで、合成前のファイルは出力されません。RAWは普段RAWやRAW+jpeg設定にしていると出力されますが、これも最初の1枚目のRAW、つまり合成前のRAWファイルが一つだけ出力されます。上記、HDR無しの1枚はこのRAWをそのまま、jpegに落としたものです。
合成前のファイルが欲しい時には、先ほどの2のカメラ外合成モードを使うことになります。
もう一つ極端な例を。まずはHDR合成アリ。
黒い被写体の後ろに懐中電灯を置くという極端な状況です。
HDR無しだとこうなります。
どうでしょうね。ライトの辺りは少し引き締まってますが、おそらくプラス補正側で出たフレアが全体に掛かって、HDRの方が薄い膜が張ったような画になっています。まぁ、正直こんな極端な状況はHDRじゃなく、他の手を使って撮れという話です。
ちなみに、上の2例とも手持ちで撮ってます。明記はされていませんが、おそらく-4EVくらいまで行ってるはずですので、始まりのシャッタースピードが1/50くらいあれば、4段おちてもなんとかなりそう。上の写真は始まりが1/20なので、1秒近くまで落ちてますがそれでも手振れ補正と合わせて何とか。昼の野外で1/1000以上稼げるなら余裕です。
修正と補足
上記説明では、-4EVになった時のシャッタースピードの低速化を語ってますが、逆でした。シャッタースピードは露出を上げた時に長くなりますので、完全に勘違いです。
で、HDR1の時のEV変化ですが、HPにありました。E-M5 mk2情報ですが、おそらくおなじでしょう。-1EV/0EV/+1EV/+2EVで変化させているそうです。となると、シャッタースピードの限界は+2EV時の2段上げた時になりますので、基準スピードの4倍でぶれなければ手持ちでもいけるという判断になります。もちろん手振れだけでは無く、各ショット間でフレーミングがズレると意味が無いので、そちらも気にする必要があります。
ちなみに、HDR2では-2EV/0EV/+2EV/+4EVで変化するようですので、4段16倍まで上がります。こっちの方は手持ちは結構きつそうです。
あ、こちらのカメラ内合成の場合はISO200に固定されるので、そこは注意です。
さて、こちらのカメラ内合成では、明るいところでは手持ちでも使えるし、合成現像後のjpegファイルが出力されるので、手軽にHDRを使えるという利点がある反面、出力がjpegと合成前のRAWなので、細かい調整は苦手です。
では細かくHDR合成をしたい時にはどうするかってことで、次のモード。
2. カメラ内では合成せず、露出を変えた画像を出力するもの。
こちらのお話しです。
これは簡単に言いますと、AEブラケット撮影と同じです。基準の露出から、2EV or 3EVステップで、3~7枚のファイル(jpeg or jpeg+RAW)を出力します。カメラ内での合成はできません。
先ほどのカメラ内合成と違って、ISO200の縛りもありません。
AEブラケットとの違いと言いますと、露出補正のステップ幅が大きいってことと、一応ExifにHDR1枚目等の情報が乗ることくらいでしょうか。
AEブラケットですと、補正幅が0.3/0.7/1.0からの選択なので、それよりはかなり広い幅になってます。
但し大きな問題というか、そう来たかという点が一つ。
純正のソフト、Olympus viewer 3ではHDR合成ができないのです。出来ないですよね。私が見つけられてないだけ?
まぁ、無償のソフトにそこまで求めるのは酷なのかもしれませんが。せっかく機能を付けたのなら、ソフトも対応して欲しいなぁと思ってしまいます。
ならばといういことで、手持ちのHDRソフト、Aurora HDRで合成してみました。
合成後のモノがこちら。
こちらは2EVステップで7枚のRAWを合成しています。三脚も使用。合成時のエフェクトはBasicで特別な補正などはかけていません。
ちなみに、基準となる0EVの写真。つまり合成前のモノがこちら。
何故か合成後の方が微妙に画角が広くなっているのは謎です。
好みで言えば、合成前の方が好きですが、この辺りは合成パラメータの変更でどうとでもなります。どうとでもなりますが、難しすぎてまだ全く使いこなせていません。
さて、こちらの、カメラ外合成はHDR用ソフトは必要なモノの、ステップや枚数等をある程度変更できますので、本気でHDRを使うならばこちらですが、ソフトの習熟度次第ですね。私的には、HDRは本来のダイナミックレンジ拡張よりもエフェクトの一種と考えていますので、Auroraの各種エフェクトを使うのが楽しかったりします。
最後に、ここまで長々と書いてきましたが、どうもこのHDR機能を使うと、全体にフレアがかかるというか、明るい方に寄り過ぎになるきらいがあるように思います。
それというのも、例えば先ほどの2EVステップで+6EVまで行ってしまうと、このようなファイルも合成に使っているからかと。
もう完全に飛んでます。
ちょっと補正ステップが大きすぎるかなと。なので、2EVステップで3枚にするとか、飛び過ぎないように注意する必要はありそうです。
若しくは、HDRでは無く、先ほど書いたAEブラケット撮影で合成する方が良いかも。こちらは補正ステップ幅が小さいので。
てことで、手軽に使えるモノの、本気で使おうとすると中々大変なHDRのお話でした。
ではでは