仕様編
さて、続いて仕様編。このレンズは、8.5mm F2.8ですが、フォクトレンダーのNOKTON 10.5mm F0.95と最後まで悩みました。
基本明るいレンズ好きで、扱い慣れているNOKTONは魅力的だったのですが、風景メインで撮るなら、開放0.95はあんまり使わないでしょうし、逆にNDが必須になることを考えるとF2.8でも十分かなと。
まぁ、何といっても、8.5mmという画角が決め手になったのですが、NOKTONなら問題にならなかったかもという点がいくつかあります。
まずは、フィルター。
先ほども書きましたが、このレンズのフィルターはフードに付けるという特殊仕様。かつ86mm径というでかさ。そして高い。
このフィルターがとにかく付け難いのです。フードにグイッと入れてたぶんネジ山に合ったかなというところで回して行くのですが、フードの隙間からしか回せないので、ほんとにネジが入って行ってるのか、引っかかっているだけなのか、よくわかりません。
更に、このフードがかぶせ式で、上に見えるネジ一本で止めてるだけですので、気づいたらずれていたりします。巨大フィルターのせいで重くなっているのも理由でしょう。
普通のフードなら、外れてもあらまぁと拾えば良いだけなんですが、コレはフィルター付きなので、落としてフィルターが割れたりしたらかなりのダメージです。
フードは樹脂製なので、あんまりグイグイ絞めると割れそうですし、鏡筒にも一点に荷重がかかるので、ここは何とかしてほしいところです。
続いてリングの感触。の前に、この緑の鏡筒はカッコいいなあぁとしみじみ。おいといて。
手前に絞り、先にピントというフォクトレンダーとは逆の構成なんですが、これは特に気になりません。回転方向も慣れた方向ですので、問題無しです。
ピントリングのフィーリングは結構硬め。ぬめーっと動きます。回転角がかなり広く、かつこの硬さなんで、グイッと一気に回すのは大変です。ただ、この広角でそんなに一気にピンを変えることは無いので問題無しです。
問題無しというか、低反発枕の様に、ゆっくり力を入れると、殆ど抵抗無く動き、一気に力を入れると抵抗が来るってのは、不用意にピンがズレることを防止できるので、好ましい感触です。
絞りリングはちょっと硬すぎかも。かつ1段毎のクリックなのですが、せめて半段のクリックがあれば良かったかな。
但し、この絞りリングは、動画撮影用にクリック無しにもできますので、普段はそちらを使うことになりそうです。
さぁ、続いて一番の問題点。
距離目盛がデタラメなんです。
上の写真では、0.7~1mの間になってますが、この辺りで無限遠が出るのです。
回し切ると、完全にオーバーインフ。F16まで絞って、被写界深度を最大にしても、回し切ってしまうと深度にも入りません。これはさすがに無いでしょう。
無限遠が決まらないので、パンフォーカスでファインダーを覗かずに撮ろうと思っても不安が残ります。
被写界深度目盛りが無いのが不満というレビューも見かけましたが、そもそもの距離目盛りがコレなんで、被写界深度目盛りがついても使い物にならないでしょう。
実際撮る時には、きちんとファインダーを覗いて、丹念にピンを合わせるので、実用上は問題無いのですが、やはり精密光学メーカならば、ここは何とかして欲しいところです。
と、難点と中心に書いてしまいましたが、この緑の筐体と写りはそれを凌駕する魅力を持っています。
その辺りは、次の実写編で。
てことで
ではでは