ワークブーツ オイルアップ
汗だく
帰ってきたブーツのご紹介は先日しましたが、乾燥しきってましたので、昨夜からオイルアップ作業です。
まずは完成品、9875から。
綺麗にし過ぎず、古いワックスを落とす感じでステインリムーバを使い、いつものレーダーバルサムで仕上げてます。
昨日の見た目とは違い、しっとりとした艶になり、革もふっくらしています。
これまではダークブラウンの革紐を使っていましたが、今回はトリッカーズの組紐に変えてみました。純正タスランのブラウンはなんか持ちが悪いのです。
続いて9870。
こちらもいつものマスタング。
一晩おいて、完全に浸透してからワイプオールで余計なワックスを取り、ブラッシングです。先にステインリムーバで汚れを落とすのは9875と同じ。
いつもはワイプオールは使わずに、浸透したら豚→馬ブラシの順番で磨くだけなのですが、今回は量を多めに入れたので、その分浮いてくるワックスも増えたため、ワイプオールというひと手間を加えてます。そのせいか、初めから結構な艶が出ています。
さて、久し振りに手入れについて語りましょう。
まず、ステインリムーバですが、肯定否定で分かれているようですね。正直どっちでも良いのですが、レーダーバルサムの様に強いワックス層を形成するモノを使っているのなら、古いワックスは落とした方が良いかと思います。新しいオイルが入らないし、汚れも溜まるし。
マスタングの様に、ワックス層を作らないモノはブラッシングさえきちんとしてれば、どっちでもいいかなと。私の場合はクロンダイクの色が落ちてワイプオールが真っ黒になるのが面白くて使っています。
次にオイルの塗布ですが、ペネトレイトブラシを使うかどうか。これは使った方が圧倒的に作業が楽です。コバや縫い目に沿ってオイルを入れ易いし、後はそれを伸ばすだけなので、厚塗りも防止できます。
続いてオイルそのもの。
マスタングの様にオイル成分だけ(ワックスはオイルを固めるようにだけ入ってます)のモノはとても塗りやすいですが、クロンダイクの様に浸透しにくい革の場合、一晩置いて、完全に艶消しになってから磨く必要があります。
そして、レーダーバルサム。これが難敵。開けたての頃は滑らかなワックスなので、塗るのも楽なのですが、時間が経つとカッチカチになります。それでも成分上は問題ないので使うのですが、とにかく塗り難い。ペネトレイトブラシと手のひらの体温を使って塗り広げます。先日リペア屋さんの兄ちゃんと話していると、彼は電子レンジで溶かしたそうです。
そんな硬さのワックスなので、ブラッシングも大変。かなり抵抗というか引っかかりがあるのです。でも、塗った後時間が経ち過ぎると余計なオイルをぬぐうこともできなくなりますので、塗ったらすぐに硬めの豚ブラシで余計なワックスを落とします。これが結構力を使います。
そして、マスタングもレーダーバルサムも一晩おいた後ブラッシングです。この頃にはバルサムも磨きやすくなってるはず。
私の場合は、動物性、植物性用の二つのブラシを用意して、それぞれ豚→馬と磨いていきます。
革紐を使う場合はこれにもオイルアップが必須ですね。
で、磨き終わったら、紐を通す前にデリケートクリームをフットベッドに塗ります。紐を通してしまうと、つま先の方まで手が届かなくなるので。
塗る量は結構多めです。おそらくスーッと入って、直ぐサラサラになります。更にフットベッドに着いた汚れや溜まったほこりを取る効果もあるので、やった方が良いでしょう。
ここまでやって、ようやく紐を通して、もう一度馬ブラシで磨いて完成です。
文章で書くとこの様に長々と面倒に見えますが、実際、面倒で体力も使います。汗ダラダラでその汗がブーツに落ちないように気を遣う程。
革の状態に依っては工程を追加したり、省いたりもしますし。
でも、趣味だから良いんです。
これが仕事なら、最小限のコストで最大の効果を狙いますが、趣味なんで面倒な工程も楽しみのうちなのです。
てことで、久しぶりに手入れ話しを書くと妙に長くなってしまいました。
ではでは