漆器を愉しむ
しかも楽
前の記事でご紹介した器の展示会。ここで購入した器をようやく使います。
蝶野秀紀さんの拭き漆の漆器。木材は栃です。
杢が綺麗に出ていて、一目で気に入ってしまいました。
方向を変えると、また違った風景が楽しめます。
こんな風に面取り木地の漆器は始めて見たってことで、思わず転がしてしまいます。
こんな方向や。
こんな方向に。
木製ではあるモノの、シャープな面取りと杢のせいで金属的な雰囲気があります。と、思って持ってみるとものすごく軽いってのが、漆器の面白いところ。
各面は敢えて仕上げを変えていて、ステンレスで言うところの、ヘアライン仕上げや鏡面仕上げになっています。漆器は単調というか、シンプルな美しさを訴求するものが多い気がしますが、こちらは変化を訴求していて興味深い。
底には工房の銘が入っています。息吹木の吹かな。
ちなみに、この器は轆轤引きの器より少しお高いのですが、作ってみたら予想よりも手間がかかって、一つ仕上げるのに普通の轆轤引きよりもはるかに時間が掛かるのが理由とのこと。そりゃそうでしょう。
光の方向を変えてみます。内側は丸くくりぬかれていて、ここにも杢が見えます。
お盆のように2次元に広がった杢も綺麗ですが、3次元で色々な方向から楽しめる杢も面白い。
下に敷いている盆も栃の拭き漆なのですが、材と仕上げの違いでずいぶんと風景が違うモノです。
と、眺めているばかりではしょうがない。酒器は酒を入れてなんぼということでこちら。
ほとんどシルエットになってしまいましたが、二年前くらいに手に入れた西山さんのガラス器に合わせてみました。美味そう。
西山さんのガラス器は改めてブログを検索すると、今回購入したモノを含めて4つ目のようです。
図らずも橋村大作さん、橋村野美知さん、井上美樹さんの器に匹敵する数になってました。
酒は広島三輪酒造さんの神雷。
味の方向性がどうこうよりも、まず美味い。今のところ今年一です。
酒米は八反錦。
吞口は薄い甘みを感じ、口当たりは柔らかくスイスイいけます。少し温度が上がってくると、グラニュー糖的な甘さと少しの苦さを感じ、酸味はほぼ無し。味は濃い方かと思いますが、変な重さも無く、最初に戻って美味い。
あ、最後にサブタイの楽ってところですが、漆器は取り扱いがとても楽なのです。私も以前は何となく高価で手入れとか難しいのかなと思っていたのですが、実際使ってみると、丈夫だし冷熱どちらも使えるし、洗剤も使える。値段も手ごろなモノからピンキリ。
もちろん手荒く扱うモノではないですが、そこは、ガラスでも焼き物でも金属でも一緒。
焼き締めの器に比べればはるかに楽です。
更に、落として欠けても修理ができますし、経年で変化しても塗り直しができます。敢えて塗り直さない方の方が多いようですが。
てことで、漆器は見た目にも実用的にも良いモノですよという変な締めで。
ではでは