RYEMASHの日記

がんがん使って、しっかりお手入れ

何となく欲しかったモノに出会う

幸運

さて、本日の善き日はモノとの出会いです。

特に目的も無く二子玉をウロウロしていたのですが、高島屋でこちらを見つけました。

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宇野刷毛ブラシ製作所の馬ブラシです。

8119といいますか、最近は全てのブーツを基本豚ブラシでブラッシングしています。

腰のある毛なので、汚れ落としとしても、磨きとしても万能なのですが、8119に関してはちょっと腰があり過ぎるかなと。

銀面を均し過ぎて、艶が出過ぎるかなという気がしていたのです。感覚的な話ですが。

ならば、もう少し柔らかい馬ブラシ。馬ならばコロニルを使っていて、今回もコロニルで良いかと思っていたところ、たまたま立ち寄った高島屋で実演展示をやっていたのが、この宇野刷毛ブラシ製作所です。

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東京、言問橋で手作りで作られているブラシです。焼き印と頭を丸くした釘が良いアクセント。

なんかの記事で見たことはあったのですが、なかなか売っている場所がわからず、忘れかけていたのですが、今回たまたま遭遇したのです。

馬ブラシ一つとっても、黒毛や白毛、尾毛、胴毛、たてがみ、若馬と様々な毛質があり、それを実際に作成されている宇野さんが説明してくださりました。

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結局選んだのは、白毛の尾毛。少し硬めの腰で密度はたっぷり。

早速使ってみたのですが、毛の密度、硬さとともに毛に残った油分がとてもいい感じ。適度な抵抗感がたまらない感触です。

ただ、毛足が長めなので、毛先を上手く使うには少しコツがいるようです。また、台座の幅が少し長めかつ溝が無いので、手の小さい人には少し使い難いかも。

ですが、これは使いこなして、自分の道具にしてみたいと思える逸品です。

これで鍛えた8119がどう変化していくかが、楽しみです。

てことで

ではでは

趣味ってなんだろねと

ジンを飲みつつ

いや以前撮った写真を見つつ、たまにはしみじみと。

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kyroのkoskue。ジンでは珍しい色付きです。ホワイトオーク樽に寝かせたモノらしいです。

味わいは優しく、トニックには勿体ない。でもkyroならNapueの方がインパクトがあっていいかな。

なんて、改めて自戒すると、今のカメラって、良いのを買ったのになぁ。酒とブーツしか撮って無いなぁ。なんて思った所から趣味のお話し。

趣味は何ですか?なぞ聞かれると大抵困るのですが、無難に音楽鑑賞やら読書なんていうと、それはもう趣味では無く生活の一部。趣味に走ってハード系SFやら、Audioというと語れますが、大体引かれます。

かなり前なら自転車、ちょっと前ならレザークラフトと言っていたでしょうが、この辺は周期的に嵌り時期が来て、数年続きます。が、今では無い。

ワークブーツももう生活の一部になっているので、趣味では無い。

じゃあ、趣味って何かとまた考えると、無くても生活に困らないモノ。余剰資金なり余剰時間なりでやってるモノなのかな。

でも、そうなると、今働いている理由が何処にも向かわないのです。

衣食住なら一応足りている。それを目的に働いているのはもちろんなのですが、もう目的では無い。

じゃあ、残るのは酒?バーボンも日本酒もワインもビールも、最近はジンも。初見の店で恥をかかない程度には飲んでいる気がします。

でも、それも違う気がする。

あ、結論なんか無いですよ。

しかし、こうやって過去から今まで嵌ったモノを考えると、全て一人でできるモノばかり。

だから趣味で良いのか。

と、プリマスを飲みながら、当初書きたいことから遠く離れつつ。

てことで

ではでは

オイルとワックスと

防水性と撥水性

最近冷たい雨が降り続いており、またブーツの防水性についてのコメントも頂きましたので、少し試してみました。

まずはこちらの2枚の写真。

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レーダーバルサムの9875と。

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マスタングの9870です。

これまで何度も書いていますが、レーダバルサムはオイル分とワックス分が含まれ、表面にワックス層が形成されるのに比べ、マスタングは基本馬油のみで表面にワックス層は形成されません。

これだけ書きますと、レーダーバルサムの9875の方が防水性がありそうですが、実際に水を垂らしてみると、上記の写真に様に9875は結構染み込み、9870は水滴をはじいています。

これは、オイルやワックスの違いよりも、元々の革の違いによるものが大きいと考えます。

9875のゴールドラセットは比較的柔らかくなりやすい革質で、柔らかくなるということは革の繊維がほぐれてくるということですので、その分、防水性が低くなります。

これに比べ9870のクローンダイクは硬めの革で繊維も締まってますので、染み込みにくいのかと。

この他、革のなめし方や、表面の染色方法など様々原因があるかと思いますが、一番大きい要因は、やはり繊維の締まり方かなと。これは以前オイル比較をした際に、どんなオイルやワックスでも塗布後に革をグニグニ揉むと結局染み込むことでも検証済みです。

さて、ここまで敢えて、防水性という言葉を使いましたが、もう少し厳密にいうと、撥水性のことを語っています。この二つの言葉は似ているようですが、オイルやワックスの効果を考える際には分けた方が分り易くなります。

ワックスは表面に層が出来て、主に撥水性を発揮し、オイルは革に浸透し、防水性を発揮します。オイルの防水性って言っても、分り難いかも知れませんが、例えば上記の9875では多少水が浸透しても、革の内側まで浸透することはかなりの豪雨でも殆どありません。

9870のマスタングももちろん同じです。

これが、オイルアップをしないで乾いた靴だと、簡単に内側まで浸透してしまいます。

では、実際に防止性や撥水性を考えた場合に、どのようにオイルやワックスを使うかですが、まず、ワックス分のみの塗布では先述の革の柔らかさや動きでワックス層を突破された場合、そのまま染み込んでしまいますので、あまりお勧めしません。もちろんガッチガチに塗り込めば撥水性は良くなるでしょうが、あまり革には良く無いかと。

なので、まずは下地にマスタングやニーツフット等のオイル分を塗布した後に、ワックス塗布というのが良さそうです。

それが面倒な場合は、レーダーバルサム等のオイルとワックスが含まれているモノを使うのが楽です。

じゃあ、オイル分のみだとダメかというと、上記の9870のようにマスタングのみでも撥水性と防水性を保っているので、これは革質との兼ね合いでしょう。

ゴールドラセットの様な柔目の革にオイル分だけというのはやったことが無いのですが、どうせワックスを塗っても撥水性はあまり望めないので、ニーツフットやマスタングで、革焼けの変化を愉しみつつ、防水性を保つってのも面白そうです。

てことで、結局革質との相性という曖昧なお話しになってしまいましたが、一番大事なのはやはりブラッシングで汚れを落としておくことだと考えます。これだけでも輪染みをかなり防止できます。

後はワークブーツなんだからという割り切り、でも、ワークブーツだから汚れても放って置くってのも嫌なんですよね。工具とかと同じで、使うときは汚れや傷なんかは気にせずにガンガン使って、使い終わったら次に使うときに備えて手入れをするということです。汚れと味は違うモノという考えです。

はからずもこのブログのサブタイトルに繫がったところで。

ではでは

ハイポリッシュ超蛇足

こうなるか

先に言いますが本当に蛇足というかネタです。

塗り過ぎたハイポリッシュを取ろうと磨いたブラシにはワックスが大量に付いちゃってるんで、どうしようかねぇということでメレルを磨いた結果がこれ。

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デカいGにしか見えません。

多少誇張した仕上がりにしてますが、昼間の光だとホントこんな風です。

テクニックとかそういうのとは別に、コレはダメだ。

てことで

ではでは

ハイポリッシュ実験後記

失敗やら発見やら

先ほども書きましたが、今回の実験の成果はどちらかというとコチラです。

まず、一枚目の写真から革が変わった理由。

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厚塗りし過ぎました。

以前8103に塗った時、ある程度厚塗りしないと効果が薄いと学んだので、比較実験ならば更に厚塗りした方が効果に差が出るかなと思ったのが間違い。豚ブラシで塗り過ぎ分を取ろうともしたのですが、乾いてしまった後では無駄でした。

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過ぎたるは及ばざるがごとしってことで、ここまで厚く塗ると、水磨きで水溶成分を溶かすどころでは無く、ワックスが残ってかつポロポロと剥がれてきてしまいます。

次はこちら。

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先ほども挙げた再度ポリッシュを塗った状態ですが、ここでは革に染み込み過ぎています。

ポリッシュはあくまでもコーティングですので、先にレーダーバルサムやマスタングで下地を整えてから使うべきものでした。

次は失敗では無いのですが、ポリッシュを使うべきというか、使って良いところは制限があるね、という意味を実感した一枚。

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今回の革は比較的薄いので、水拭きで艶を出した後、ぐにゃぐにゃ曲げてみたモノです。

ポリッシュのコーティングが割れて剥がれる感じで白く浮いてしまってます。これがあるので、ブーツに使う際にも、つま先等革が曲がらない所に使うべきなんですね。

こんな感じで、ポリッシュは塗る場所、塗り方、量、磨く素材、磨き方等かなり奥の深い世界です。その分好みの作業方法を見つける楽しみはあります。スコッチを使ってみようなんて思いつく人の気持ちもわかります。

最後に、今回ポリッシュの缶を開けると、既に少し乾燥が始まっていましたので、パラフィルムで封をしてみました。

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どれほどの効果があるかは次に開けてみた時にしかわかりませんが、気休め程度でも期待したいところです。

てことで

ではでは

ハイポリッシュ実験

ポリッシングクロス比較

さて、先の連休中唯一やったことは、ポリッシングクロスの違いで、どれだけ艶に違いが出るかの比較実験です。

実はこの実験、幾つか失敗しているのですが、そのお話しは後にしてまずは作業の様子から。

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用意したのは牛のヌメ革とモウブレイのHigh shine polish。

クロスはモウブレイのポリッシングクロス、使い古いしたコットンT、紙製のワイプオール、東レのトレシーです。モウブレイは水磨きとバーボン磨きを試しています。

まずは、なし以外のところにpolishを塗ります。

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結構染み込んでます。実は一枚目の写真に写っている革と違っているのですが、それは後程。

続いて、コレに水を垂らして磨きます。

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結果はこちら。

直上から見ても違いは分かりません。

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少し角度を付けると、艶が出ているのが判りますが、その違いまでは判りません。肉眼だとわかるのですが結構微妙です。

実はやってみて分かったのですが、違いは艶の出方よりもその作業のし易さです。そして、その作業のし易さと艶の出方は比例しています。

その意味で順位をつけると、使い易い順から以下になります。

モウブレイ水=モウブレイバーボン>コットンT>>>ワイプオール>>>>トレシー。

使い難い方から説明した方が分り易いのでトレシーから見ていきましょう。

・トレシー

マイクロファイバー製ですので、垂らした水が一瞬でクロスに染み込み拡散してしまい、水磨きになりません。水磨きは適度に表面に水が残るのが重要なようです。更に、マイクロファイバーの汚れを吸着する特性のせいで、本来艶となるべきワックス成分もこそぎ落としてしまいます。

・ワイプオール

トレシー程ではないモノの、こちらも直ぐに水が無くなってしまい、かつゴワゴワしているので、ワックス成分を落としてしまいます。

・コットンT

これは適度に水が残りますので、優しく磨くことができます。専用のポリッシングクロスが無い時には十分代用できますが、糸くず等が付着しないよう気を使う必要があります。

・モウブレイ水

バーボンを飛ばして、水磨きを先に。コレは文句なく一番使い易い。水も適度に残りますし、軽く引っかかり無く磨くことができます。High polishの水溶成分を溶かして吸い込んでいる感覚が指先に伝わります。

・モウブレイバーボン

スコッチで磨くと良いと話に聞いたのですが、スコッチが無かったのでバーボンで代用してみました。結果は水とあんまり変わらないかな。磨いている間の香りが良いので、酒が飲みたくなるのが難点。うん実験関係ないです。

こう見てみてみると、ある意味下馬評通りの結果です。今回手元に無かったのでできませんでしたが、ストッキングが良いというのも、水の染み込みや糸くずの付かなさから、さもありなんという感じです。

てことで、結果自体は予想通りで面白くないのですが、この後の失敗談の方が勉強になった今回の実験でした。

ではでは

High Shineのおまけ

革に貴賎なし

さて、昨日練習で革小物にポリッシュ処理をしたモノをご紹介しましたが、実はその前にも試していたのです。

こち

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メレルのジャングルモックです。

履きやすさと手軽さで大人気の一足ですが、こちらもつま先部分を磨いてみました。

実はこの際に、薄く塗り過ぎると艶が出ないとか、ワイプオールでの拭き上げは無理とか学んだのです。

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メレルは気楽に履ける分、手入れも適当になりがちなのですが、他のブーツと同じで履く前には必ずブラッシングしています。

そのおかげで、ポリッシュをかけていない部分もピッカピカです。

革好き、かつレザークラフター(最近ご無沙汰だけど)としては、どんな革製品でも同等に扱いたいのです。その分応えてくれる素材ですし。

なんて、革財布をゴミに出しかけたヤツが言う言葉ではありませんね。

てことで

ではでは